― 本編「ちるらん 新撰組鎮魂歌」の感想を聞かせてください。
木村 面白いですね。とにかく熱いし! やっぱ、男が読んで“燃える”し、最近女性の方もこういう作品を楽しんでくれるようですから、いいですよね。
代永 そうだね。新しい視点で新撰組の話が進められているのが面白いですね。新八の語り口から入っていくというのも新鮮でした。
― 好きなキャラクターや、印象的なエピソードはありますか?
木村 俺は「試衛館」好きだな。本当、みんなバラバラなんだけど、それこそ斉藤のエピソードとかそれ以降の話で、纏まる時は纏まることができるというところが好きだな。
代永 各々向かっている方向性が似ているようでバラバラだったりするんですが、それぞれが新撰組のことを考えつつも、日本の行く末を見据えているというところが凄いなと思います。その中で新撰組の一人一人が大志として生きて行く目的もあれば、国の為にということを行動で起こしている人たちいるので、みんなそれぞれカッコイイですよね! 誰っていうのは決められない。みんなカッコイイ!!
― もし自分が女性だったら、付き合ってみたい人は誰ですか?
木村 無理でしょ!
代永 (笑)。そうだね。……でも、やっぱりおやっさん(近藤)が一番大事にしてくれるじゃないかなって気はします。
木村 大変だと思うよ、一緒にいるのは……。
代永 こんだけのメンバーを纏めている人ですからね。
― 今回アニメ化された『にぶんの壱』はいかがでしたか?
代永 面白いですね。『新撰組鎮魂歌』のほうは、大志同士の斬り合いや人同士の闘いが多いなかで、『にぶんの壱』はそういうことが無く、本当に「試衛館」内のお話になっていて、より和気あいあいとしている。『新撰組鎮魂歌』のほうでもみんな仲が良いですけど、『にぶんの壱』はより平和的というか、のほほんとしている生活シーンが多いですよね。
木村 『にぶんの壱』では、永倉(新八)と藤堂(平助)がだいたい可哀想(笑)。
代永 ツッコミが(笑)。その2人がツッコむ場合が多いので、あとのみんなは省エネモード。
― 『にぶんの壱』で、好きなセリフは何ですか?
木村 好きなセリフっ!? なんだっけ、「引き抜く時に肉がえぐれんだよっ」が嬉しそうなんですよ。どうしようもないヤツです(笑)。
代永 斉藤は、『にぶんの壱』になってもそういう性格。それに対しての女子たちがまた、「キャー!」ってなる。
木村 女子たちにも「腸引き抜くぞ!」って言っていました。
代永 「そこがたまらな〜い❤︎」っていう女子を見て、大丈夫か!? って心配になりましたけど(笑)。そこがまた斉藤さんの良いところですし(笑)。
代永 沖田は……。
木村 喋ってないことで有名。
代永 沖田はほぼほぼ省エネモードが多かったんで……。
木村 「ふふ」しか言ってません。
代永 (笑)。猫を集めるシーンは好きでしたね。「今日も元気か?」って話かけるところが。なんか、のほほんとしているといるのが沖田らしいなって。かと思えば、“鬼子”と呼ばれている部分もちょっと出したりしているので、そのギャップが良いですよね。
― 今回はオーディション形式だったそうですが、どの役を受けましたか?
代永 僕は沖田でした。
木村 え〜と、斉藤と沖田、あと土方。
木村 テープオーディションだったんですが、無意識のうちに“歳三”を“さいぞう”って言っていて……。
代永 わかるような気がする。
木村 テープを送る前に確認した時、なんか変だなと思って録り直しましたね。面倒だからそのまま送ろうかとも思いました(笑)。
― 『にぶんの壱』に出演が決まったときのお気持ちはいかがでしたか?
木村 他のキャストが気になりました。
代永 それは気になりましたね。
木村 まだ(高木)渉さんやこにたん(小西克幸)、蒼井(翔太)くんの演技は聞けていないんですけど、俺の中では梅ちゃん(梅原裕一郎)の演技が新境地だと思いましたね。まぁ、達(鈴木達央)は安心。
代永 そうだね! あんなにツッコんでいる梅ちゃんは初めて見たし、あと蒼井(翔太)くんが原田左之助なんだっていうのがビックリしました。
木村 あとは、代永が、もうちょっと喋ればいいなって。
代永 (笑)。自分でもこんなに喋らないのかってビックリしている。合間あいまで出てきて、基本周りがワイワイとやっている様子を見ているのが沖田なんですが、あまりツッコんだりしていないですね。
― 土方役の鈴木達央さんと共演されていかがでしたか?
代永 たっつんの一番得意なところがストレートに来たなって感じですよね。達自身も今回、主人公が初めてって言っていたので……。
木村 えっ!?
代永 初めてなんだって! ビックリでしょ!! 自分がやる主人公ものは初めてなんだって。
木村 光栄ですね。
代永 たっつんが一番嬉しいというのが伝わってきていて、そこに僕らが乗っかっていくという感じがします。
― 代永さんは、沖田総司を演じてみていかがでしたか?
代永 凄くやりやすかったです。僕の中の沖田像というが、ちょっとのほほんとしている感じだったんです。鬼子になった時や闘いになる前の沖田というのは、どこかちょっとのほほんというか優しいというか、何を考えているのかよくわからない不思議な感じの人なので、そこを意識しました。何よりも新撰組に関われたのが嬉しかったです。今回初めて新撰組に関わることができました。
木村 初めてなんだ!?
代永 ゲームとかでもやったことがなかったんで、それが嬉しくて。沖田も演じてみたかったので、そういう意味でも選んでいただいて嬉しかったです。
― 木村さんは、斉藤一を演じてみていかがでしたか?
木村 めっちゃ楽しいですよ、本当にクソ野郎なんで!
代永 斉藤のイメージいろいろ変わるよね(笑)。
木村 こういう手のかかるヤツがひとりいてもいいなって思うし、芝居もわりと大きく、抑えることなく伸び伸びとやれました。機会があれば本編もやりたいなと思いますね。
― 見どころを教えてください。
木村 演出もそうなんですが、キャラクターそれぞれの個性の中の強い部分を引っ張り出そう引っ張り出そうとしているのは感じられますね。
代永 そうですね。多分これだけ凄いメンバーが揃っているので、個性が被るということはないでしょうし、今回これまで演じたことのないような役をやられている方が結構いたりするので、そういう意味でもとても面白いキャスティングだなと思います。このアニメを観てくれる方もそこはビックリすると思いますし、楽しんでもらえるんじゃないかなと思います。
― 『ちるらん』のファンの方は、『新撰組鎮魂歌』もアニメで観たいと思っている方も多いと思います。
木村 まずTVアニメ『にぶんの壱』を楽しんでいただいて、声を大にして「面白かった!」と言っていただいて、さらに声を大にして「『新撰組鎮魂歌』を観たい!」と言ってください。
代永 『新撰組鎮魂歌』のほうも観たいです!」っていう声が多ければね。
― 最後に、ファンの方にひと言お願いします。
木村 『にぶんの壱』はパロディものなのですが、もちろん自己紹介もするし、完成したお話になってます。これだけ観ても腹を抱えて笑える、バカバカしく楽しい作品です。合わせて、本編である『新撰組鎮魂歌』のほうも手に取ってください。めちゃくちゃ面白い漫画なので、こちらはこちらで楽しんでもらえると思います。尚且つ、『新撰組鎮魂歌』のほうのシリアスな面を知ってからTVアニメ『にぶんの壱』を観ていただけると、2倍3倍楽しめると思いますので、是非是非、本編のほうと合わせて見ていただけるとより楽しいかと思います。TVアニメ『にぶんの壱』を観ていただいてからで本編を読んでいただいてもいいですし、どちらが先でもいいので、両方楽しんでいただけると嬉しいです。
代永 『にぶんの壱』は新撰組の中でも日常を描いた部分が多いので、そういう意味でも笑って観ていただけると思います。また、『新撰組鎮魂歌』を読んでいただいている方には、より新撰組の仲の良さだったり、各々の考えを持ってこの「試衛館」に居るんだなということを感じながらアニメを観ていただけると楽しめるかと思います。本編のほうは闘いのシーンが多く、血しぶきも飛びまくっていますが、そういうのにちょっと疲れた時に、『にぶんの壱』を観て笑っていただいて、また刺激が欲しくなったら本編を見ていただいてと、2倍楽しめる作品になっていますので、是非、応援していただければ嬉しいなと思います。