世界中の才能が集う熊本で
私たちと一緒に漫画を編集しませんか?
【SMAC!編集課】
Enrico Croce(編集リーダー)
谷中 卓
上田 剛士
Rose
世界中の才能が集う熊本で
私たちと一緒に漫画を編集しませんか?
【SMAC!編集課】
Enrico Croce(編集リーダー)
谷中 卓
上田 剛士
Rose
出身国も職歴も異なる4人が、「漫画が好き」という思いから熊本の阿蘇に集まり、海外作家や高校生の漫画の編集に取り組んでいます。その仕事のやりがいや、世界を見据えた今後の展望を聞きました。
熊本コアミックスを志望した
きっかけ
Enrico:私はイタリア出身です。母国にいた頃から漫画『北斗の拳』が大好きで、この作品がきっかけで日本語を勉強し始めました。日本で仕事ができればと来日後、コアミックスに勤めていた友人から新年会に招かれたときのことです。そこでお目にかかった堀江信彦社長(兼熊本コアミックス会長)から、新たに立ちあげる部署としてSMAC!編集課(以下、SMAC)に誘っていただきました。SMACが海外作家を担当することになり、東京から熊本へと勤務地は変わりましたが、大好きな漫画に編集者として携われる喜びはいまも変わらずです。
谷中:私はビジネス書をつくる会社に新卒で入社し、編集を経験するうちに、好きだった漫画の編集にも挑戦したいと思い、熊本コアミックスに入社しました。転職にあたり、漫画を科学的に研究していることを知り、ここにしかない知見があるだろうと感じました。身につけるのが難しい“センスによる仕事”を求められるのではなく、誰しも学んで身につけられる方法論を学習できるのではと思いました。他社と比べ、いちばん力がつきそうだと思ったのが入社の動機です。ほかにはない環境のため、それまで住んでいた東京を離れ、熊本で勤務することに抵抗感はありませんでした。
上田:私は10年ほど東京でテレビ番組の制作をしており、2022年10月に熊本コアミックスに入社しました。きっかけは、熊本出身なので地元に戻りたいと考えていたことです。帰郷後も制作の経歴を活かした仕事ができないかと思い、採用試験を受けました。
公立である高森高校マンガ学科の設立に向けて尽力したり、海外作家の育成のために本格的な機材や設備が揃った施設をつくったり、民間企業でありながら公共性もある取り組みをしていたので、ここでの仕事を通して自分が生まれた場所に恩返しができればと入社しました。
Rose:学生時代の研究を通して翻訳や編集の経験があったため、より編集の知識や経験を得ることができないかと考えたことが入社の理由です。世界中から作品を募集する漫画賞や、海外作家との作品づくりで、母国で培ったものをより大きな規模で活かせるチャンスだと感じました。自分の大好きな漫画を通して、海外と日本のつながりをつくっていきたいです。
会社の雰囲気、熊本コアミックスの魅力
ーー社風について
Enrico:阿蘇の高森という、熊本市街から離れた場所で、決して多くはない人数で働いているからこそ、社員同士の距離がすごく近くなります。社長や役員だけではなく、他部署のスタッフの方々も、同じ目線、同じ熱量で仕事ができると感じています。
上田:誰とでも平等に接することができる空気がありますね。他部署のみなさんも私たちのことを積極的に知ろうとしてくれるし、自分が抱えている疑問に何でも答えてくれるのは、熊本コアミックスのすごく好きなところです。
Enrico:業務上、熊本コアミックスとコアミックスが連携して編集を進めることも多いです。そのため熊本に転勤する際、遠隔地でやり取りをすることに煩わしさを感じるのではという懸念もありました。しかし、いざ働いてみると、ストレスなく連携できることがわかりました。その背景には、オンラインでの打ち合わせや、Googleチャットでのやりとりが社内で浸透していることがあります。そのことにより、離れていても、スムーズに情報共有や意識のすり合わせができています。なお、高森には10Gbpsの光回線が通っており、それを最大限活用できる機器が揃っています。
Rose:社員のことを助けてくれる会社だと思います。住居探しのことも含めて、サポートしてもらえました。困ったことがあったときは、おたがいに助け合える雰囲気がありますね。
谷中:対外的なことでいうと、2020年に旗揚げした「096k熊本歌劇団」をはじめ、うちが取り組んでいる事業や企画が少しずつ熊本で認知されているのはうれしいですね。
上田:社員食堂があることも魅力のひとつです。私は一人暮らしなのでつい不摂生になりがちなのですが、食堂での食事はメニューが豊富で栄養バランスがよく、ビュッフェ方式で量も自分で決められるため、とても助かっています。
ーー海外作家との仕事について
上田:熊本コアミックスのある「アーティストビレッジ阿蘇096区」には、海外出身の漫画家が10名在籍しており、一緒に仕事をしています。編集の仕事のひとつは作家の意図を汲むことだと思うので、深いコミュニケーションを取る必要があります。文化の違いはありますが、おたがいに歩み寄ろうとする意志が大切だと思っています。
Rose:一緒に旅行に出かけたり、誕生日パーティーをしたり、作家とともに楽しい時間を過ごすイベントを企画しています。人間同士として良好な関係を築き、よい漫画をつくるチームとしてひとつになっていきたいですね。
SMACの仕事
谷中:「世界サイレントマンガオーディション」と「コアミックス九州国際まんが賞」という、一般公募による漫画賞の企画運営を行っています。具体的な業務は、募集テーマの決定や作品募集、それに関わるSNSでの広報活動、作品受付と一次審査などです。年々応募作品のクオリティが上がっており、審査でどの作品を通すか、とても迷います。特にここ2年での質の向上は目覚ましく、応募者同士で「このレベルに追いつかなきゃいけない」という意識が芽生え、切磋琢磨できる環境になってきているのではないかと思います。
Enrico:オーディションに通ったからと言ってすぐに連載が始まるわけではないので、デビュー前から作家さんと私たちとで深くコミュニケーションしながら、よい作品づくりをめざし、ともに取り組んでいきたいですね。また、漫画を描く人を増やすことも私たちの使命だと思っています。世界的に作家志望者も増えてきているので、未来を感じる仕事です。
上田:2023年度に設立された熊本県立高森高校マンガ学科では、生徒たちへの授業をコアミックスが週に1回行っています。編集者である会長の堀江、社長の持田修一、漫画家の富沢順先生が授業をする際、授業の進行を補佐したり、生徒たちに出される課題の進捗を管理したりしています。周りの生徒がみんな漫画を描いているという環境で、刺激し合いながら前向きに成長している姿を見て、私たちも熱意をもらっています。
谷中:高森高校の生徒たちは、みんな新しいことに挑戦してくれていますね。私たちの世代が慣れ親しんできた漫画表現とはまた違う、映画的な、人の心に繊細に触れる表現もあり、魅力的な漫画を描いていると感じます。なお、SMACはマンガ学科の授業とは別に、部活動の「マンガ部」も支援しています。マンガ部では「月例賞」という、コアミックスが審査するマンガ部の行事が毎月あります。キャラクターデザイン部門、ストーリー・プロット部門など漫画に関するものだけでなく、イメージボード部門や美術画など、11の部門を設けています。その中から好きなテーマを生徒に選んで応募してもらいます。基本的には各部門で生徒が自由に創作を進めますが、質問や相談があれば、美術の先生と連携し、私たち編集者も対応しています。月に一度、アーティストビレッジにマンガ部の生徒たちを招待し、ここでしかできない活動も行っています。
Enrico:ほかに、漫画編集とは別に年3回、「pomodoro(ポモドーロ)」というフリーマガジンの編集・取材・執筆をしています。これは熊本の魅力を発信する媒体です。自分たちで取材し、記事を書くことを通して、相手から正確に意図を聞き出すインタビュー力や文章力が磨かれ、私たちの編集スキルの幅を広げることにつながっています。また、印刷所とのやりとりを体験できることは、今後SMACが紙のコミックスを手がける際、役に立つと感じています。
ーー仕事のやりがい
Enrico:国内作家さんが経験したことのない文化や経験を持ち、独創的な作品づくりをできることが海外作家さんの魅力の一つだと思います。私たちがそのポテンシャルを充分に引き出せるかどうかが、今後のSMACの発展に大きく関わってくると感じています。
上田:1番はやはり海外作家さんとの作品づくりですね。共同作業で進めていくことで、自分一人では生み出せない、想像を上回るものができてくる。それを経てよい作品が生まれたときの喜びは格別です。
Rose:大きな才能を持っている作家さんに、気兼ねなく仕事をしてもらえるようにサポートする。作品づくりに直接関わらない業務もありますが、それも含めて作家の力になれていると感じることができる仕事です。
谷中:今後のSMACの目標は、ヒットする連載作品を生み出すこと。そして事業の収益化です。いま世界中の人々に、私たちが発信する漫画コンテンツのことを知ってもらいつつあるので、ここから収益を生み出すことができれば、もっとたくさんの人を集められると思います。そうして、世界的な漫画のムーブメントの中心になることをめざしていきたいですね。