社長インタビュー

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2017.04.10

THEME1
輸出すべきなのは、作品ではなく漫画づくりの文法。
「編集者の研究所・漫画の研究所という側面が強くなっている」

───現在、コアミックス社として、どういった部分に力を入れていますか?

堀江:社を挙げて取り組んでいるのは、編集者の育成です。スタッフの編集技術を徹底的に磨き上げることに今は注力しています。

───コアミックスは漫画に関する事業しかないところが特色ですよね。

堀江:僕たちはずっと漫画をつくり続けてきました。僕自身も40年ちかくそれをやり続けています。だから編集技術を蓄積していくことができます。したがって今は、出版社というより“編集者の研究所”、“漫画の研究所”という側面が強くなってきていると思います。

───“研究”ですか?

堀江:実際に、ある大学の研究チームと共同研究することで、人の感情のメカニズムや、脳波の研究、生体反応実験などを行って、本当に求められている漫画を科学的に検証するための取り組みを進めています。

───漫画家さんや編集者の漫画づくりのプロセスに、体系立てられたロジックを組み込む作業ということですか?

堀江:そうです。すべてに理屈を求めて、言葉にする。言葉にすることで説明することができます。編集者は言葉を磨くことがとても大切です。“勘”ではなく、きちんとした理屈をベースにして、ドラマづくりのアドバイスができるようになる必要があると思っています。

───そのために、編集者の育成に力を入れているんですね。

堀江:なぜかというと、日本が海外に向けて輸出すべきは、漫画作品そのものではなく、漫画づくりの文法だと思うからです。だからその文法をしっかりと理解して、言葉で説明できるというスキルが非常に大事なんです。

───日本の漫画作品は、海外でも一定のヒットが見られると聞きます。

堀江:もちろん数字だけを見ると、ヒットと呼べる作品もあるかもしれません。しかし、その国の産業として成り立つかというとまた違った考え方になると思います。やはり、その国の人が、その国の言葉を使い、その国の人のために描いたものがヒットするのが1番の理想です。それが多くの国で起こっていけば、漫画文化のすそ野が広がっていきます。そのためも、理屈や理論が必要だと考えます。

 

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